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不動産投資で家族を守る!働く夫婦の挑戦と成功のリアル Vol. 2

Hitomi KATO

加藤 瞳

本やWeb記事を手がけるライター。18年間の会社員時代に「伝わる文章」を追求し続けいた。読者からは「非常に読みやすい」と評価いただいている。2019年に大家業を開始。夫婦で作った合同会社の代表を務める。4児の母。

運命の物件との出会い

前回は「不動産投資をはじめたきっかけ」や「物件探しの具体的な行動」についてお話ししました。不動産投資においては、物件選びが投資の成否を大きく左右します。私たち夫婦も、物件選定に多くの時間と労力を費やしました。

この記事では、物件検索をはじめてから3ヶ月後に「運命の物件」と出会うまでのエピソードをまとめました。物件選定の絞り込み方や、融資の仮審査についてのリアルな話にも触れていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

物件選びの基準を確定:「自分たちのライフスタイルに近い層」をペルソナに

物件を探す際、私たち夫婦は以下の条件を優先していました。
「自宅から90分以内の範囲にある」
「利回り12%以上」

結果、そこでヒットした多くは、都心部から離れたエリアにありました。「都会と田舎の真ん中くらいだなぁ」という印象です。
資料を取り寄せる中で、私たちは次第に「単身よりもファミリーをターゲット」とする物件に絞った方がいいと感じ始めます。

その理由としては、

  • 独身者向けの物件は、入退去が激しく管理コストがかさみそう
  • ファミリー物件なら、入居すると長く住んでくれそう
  • 中古戸建てより中古アパートの方が、融資が引きやすく、家賃収入も多い

などがあげられました。
そして「もし物件を購入したらどのようなファミリー層が入居するか」を想像してみたところ、「若い夫婦と未就学児2人のファミリー」というペルソナが浮かびました。このようなファミリーは、小学校に上がるまでの期間をアパートで過ごし、就学のタイミングで一軒家を購入する人が多いと思ったのです。実際の私たちもそうでした。こうして、結婚したばかりで「近いうちに子どもを…」と考えている夫婦や、小さな子どもがいるファミリーが住みやすい場所や外観、内観の物件を探すことにしたのです。
もし、新婚カップルが入居してくれれば、7年近く入居してもらえるかもしれませんよね。そうなれば、安定した入居が期待でき、長期的な賃貸収入が見込めると考えました。
このように「私たち自身の生活スタイルや経験に基づいたペルソナ」から入居者層を明確にすることで、物件選びの際に一貫した基準を持つことができたのです。

A不動産との出会いと理想的な物件の発見

理想の物件を探すため、私たちは資料請求後に必ず不動産会社を訪問していました。印象のいい不動産会社と仲良くし、そこからお宝物件を紹介してもらうためです。その中でも「A不動産」との出会いが大きな転機となりました。

ある日、A不動産を訪問し、不動産投資に対する私たちの思いや基準を担当者に伝えたところ、担当者は非常に親身になって対応してくれました。担当者は私たちのニーズを理解し、すぐに条件に合致する物件を提案してくれました。それが「運命の物件」に出会うきっかけとなったのです。(私たちの不動産投資をする理由については、前回の記事でお話ししています。よかったら読んでみてください)
紹介された物件は、

  • 築22年の2LDKが8部屋あるファミリー向けのアパート(2階建)
  • 物件価格は4,500万円
  • 大手がリース建築事業として建築した
  • 重量鉄骨造
  • 利回り12%を超え
  • 満室
  • 駐車場を1部屋あたり2台分確保できる
  • 収益シミュレーション上で、充分利益が出る
  • 積算価格と売値が同じくらい

と、かなり魅力的なものでした。

早速私たちは現地調査に赴き、物件の状態や周辺環境を確認。JRの駅から徒歩40分と、最寄り駅からはかなり距離があります。しかし、車中心の生活を送る地域に位置していたので、駅近であることよりも駐車場の充実を重視した方がいいと判断しました。
ライバルになりそうな物件もなく、充分差別化がはかれそうです。周辺物件の家賃も調べ、紹介された物件の現行家賃が、周辺の相場と差がないことも確認し、問題がないこともわかりました。
資料上の情報からも現地調査からも、とても理想的な物件でした。

融資交渉と予期せぬ展開

物件の購入に向けて、私たちはすぐに融資の準備を進めることにしました。A不動産に「融資先として提携している金融機関があるか」を尋ねたところ、ノンバンク銀行を紹介してくれたので、そこで融資を依頼してもらうことにしました。
ところがこの仮審査は通りませんでした。理由は「対象物件がエリア外」だったからです。私たちは、自宅や勤務先の近くにある銀行に訪れたり、当時加入していた大家の会のメンバーに銀行開拓相談をしました。
そこで得た情報を元に、2つの銀行に交渉をします。

  • 対象物件の県に本店がある商業信用組合
  • ノンバンク銀行

物件価格と同じ4,500万円フルローンで審査依頼をしたのですが、驚いたことに先に訪問した商業信用組合で
「4,500万(物件価格)+200万=4,700万、金利3.8%」のオーバーローンで融資可能と連絡がきたのです。

正直金利が高いと感じましたが、収益シミュレーションで再計算しても利益が出ていたので、思い切って物件購入の本契約に進むことにしました。
しかし、物件の購入に向けて具体的なステップを踏み出したと思った矢先、思わぬ展開が訪れます。
売主の息子が「管理を自分でするから売らないでほしい」と言い出し、物件の売却が取りやめになってしまったのです。私たちは、この予期せぬ展開にとても落胆しましたが、契約前だったため反論もできず、どうしようもありません。仕方なく次の物件を探すことにしました。

運命との出会いと購入までの道のり

A不動産の物件購入がダメになった後、別の不動産会社(B不動産とします)を訪問するタイミングがありました。B不動産に挨拶にいった夫は、A不動産訪問の時に話した「不動産投資に対する私たちの思い」に加え、A不動産で物件購入に至らなかった話も伝えると、営業担当者はすぐにレインズに掲載されている物件を紹介してくれました。それが、運命の物件との出会いです。
(レインズとは、不動産流通機構が運営しているネットワークシステムで、全国の不動産会社が加入しています。基本的に一般の人は利用できません)
この物件は、A不動産が紹介してくれた物件と同じ町にあり「ファミリー向けの重量鉄骨造」という点でも、前回の物件同様に私たちの希望条件に合致していました。

  • 築23年の2LDKが12部屋あるファミリー向けのアパート(3階建)
  • 物件価格は6,500万円
  • 大手がリース建築事業として建築
  • 重量鉄骨造
  • 利回り12%超え
  • 空室1部屋
  • 駐車場を1部屋あたり2台分確保できる
  • 収益シミュレーション上で、充分利益が出る
  • 積算価格と売値が同じくらい

契約できなかったA不動産の物件との違いは、3階建であることくらいでした。
むしろ、この物件の方が

  • 最寄りのJR駅から徒歩23分
  • 幹線道路が近い
  • 小学校の近く

など、私たちがターゲットとしているファミリー層が住むには、充分な条件が揃っていたのです。
現場を調査したところ、車で少し走ればスーパーがあり、周囲には新築の一軒家が点在していて、若い世代が住んでいる様子もうかがえました。 空気もきれいで、小学校もすぐ近くにあるため、若いファミリーが住むには理想的な環境だと思いました。
この物件の持ち主は、地元で繊維会社を経営していたおばあちゃんで、アパートを建てたことで、地域の若者を引き寄せ、学校や地域からも感謝されていたとのこと。この話を聞いたことで物件に対する私たちの印象はさらに良くなり、購入の決意が固まりました。

振り返ると、3ヶ月間で77件の資料請求と5社の不動産会社訪問をしていましたが、ついに運命の物件に出会うことができたのです。

まとめ

私たち夫婦は、運命の物件に出会うまでに多くの時間と労力を費やしました。しかし、最終的に自分たちのライフスタイルに近いファミリー層をターゲットとした物件に絞り込むことができました。途中、予期せぬ展開もありましたが、これまでに積み重ねた経験を活かして行動し続けたおかげで、再び条件に合う理想の物件に巡り会えたのです。
次回は、この理想の物件の買付から融資実行までの具体的なストーリーをお話しします。どうぞ、お楽しみに!!

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